街のようなキャンパス
キャンパスの中心に設けた「アートプロムナード」は、だれもが訪れることのできる場所です。このアートプロムナードに面して「アートコモンズ」と名付けた小さなギャラリースペースを設け、道行く人たちとのコミュニケーションを生む展示空間としました。敷地は緩やかに傾斜しており、高低差を吸収するために設けた階段やテラスが学生の居場所になっています。
重なり合う美術・工芸・図書のアーカイブ
美術館図書館には金沢美術工芸大学が収集する、『平成の百工比照コレクション』という工芸見本を利用者が実際に手に取って学べるという大変ユニークなコレクションがあります。このコレクションを中心に、1階に美術館、2階以上に図書館を配し、緩やかな回遊動線の中で、美術・工芸・図書に等しくアクセスして学べる環境をつくりました。パンチングメタルの書架や什器(デザイン:藤森泰司アトリエ)が、様々な活動が折り重なる風景をつくりだしています。
金沢美術工芸大学新キャンパスは2023.7月に移転・オープンしました。 2つの川(犀川・浅野川)に挟まれた小立野台地に位置し、医王山等の山々へ続く軸線の上に位置しています。 低層に抑えた7つの棟を5つの豊かな外部空間とともに計画しました。 大学の活動を外へ発信する「アートプロムナード」、公園のような「運動の庭」は誰もが訪れることのできる場所です。 一方「創作の庭」は学生が制作に集中するための囲まれた空間です。地域に開きつつ、学生が創造と向き合える新しいキャンパスです。